みなさんは「Facebook SEO」という言葉をご存知ですか?
SEO(検索エンジン最適化)であればご存知の方も多いと思います。GoogleやYahoo!などの検索エンジンでWEBサイトを上位表示させるための対策ですね。
でも「Facebook SEO」となると『ん?なにそれ?』って感じでよく分からないと思います。FacebookなどのSNSが、WEBページへの流入元として集客効果が高いのは知っていても、SEO効果となると少し疑問ですよね。
そこで先日、全日本SEO協会が主催する「Facebookを使ってGoogleで上位表示する技術セミナー」に参加してきました。こちらのSEOセミナーには以前から何度か参加したことがありましたが、FacebookのSEOセミナーはこの日が初開催だったようです。
今回はこのセミナーで分かったことを整理して、「FacebookでSEO対策が可能か?」という課題について、私の感想・考察を交えてお話ししたいと思います。
Facebook SEOとは?
Facebook SEOとは、「Facebookを利用して、WEBサイトをGoogle/Yahoo検索で上位表示させること」と定義できます。
しかし、今回参加したセミナーでは、範囲がもう少し限定されており、「Facebookページを利用して、自社サイトをGoogleで上位表示させることで、自社サイトの売上を増加させる。」という内容でストーリーで構成されていました。
Facebook SEOの方法論としては、自社サイト内にブログ・Q&A・ニュースなどの「お役立ちコンテンツ」を設置して、専門情報やノウハウなどを無料で提供する記事を書き、Facebookページからその記事にリンクを張るという手法を提案しています。
このようなコンテンツマーケティングの手法は、Googleのパンダアップデートで質の高いコンテンツがSEO対策の最前線になってからは、ECサイトや専門サイトなどでよく見かける手法といえます。
ここで1つだけ押さえておきたいのは、自社サイト内にコンテンツを設置するという点です。オウンドメディアなどで見られるように、別ドメインでコンテンツを立ち上げるのではありません。
「いいね・シェア・リツイート」にSEO効果はあるのか?
Facebookの「いいね・シェア」やTwitterの「リツイート」など、いわゆるソーシャルシグナルと呼ばれるものには、直接的なSEO効果があるのでしょうか?
これについては、GoogleのMatt Cutts氏やJohn Mueller氏が「ソーシャルシグナルには直接的なSEO効果がない」と明言しています。
▼Matt Cutts(マット・カッツ)氏の動画【2014/01/22公開】
Are pages from social media sites ranked differently?▼John Mueller(ジョン・ミューラー)氏の動画【2015/08/14公開】
English Google Webmaster Central office-hours hangout
事実、FacebookやTwitterなど多くのSNSで表示されるリンクには、検索エンジンのクローラーがリンク先をたどらないように「nofollow属性(rel=”nofollow”)」が付いているため、被リンク効果がありません。
※ただし、はてなブックマークのリンクにはnofollow属性が付いていないため、被リンク先として認識されると思われます。
ではここで、Googleの検索順位を決める要因について確認しておきましょう。Google検索で順位を決定する最も重要な2大要因は「コンテンツ」と「被リンク」です。このことは、GoogleのAndrey Lipattsev氏も言及しています。
▼Andrey Lipattsev(アンドレ・リパセフ)氏の動画【2016/03/23公開】
Google Q&A+ #March
ソーシャルシグナルが検索順位の評価に使われず、被リンクとしてもカウントされない以上、Facebookで「いいね・シェア」を獲得しても、直接的なSEO効果がないことが分かります。
もちろんシェアなどは集客効果がかなり高いので、長期的にみればSEO効果が期待できるかもしれません。でも直接的なSEO効果となると、、、やはり無理なのでしょうか?
じつはその答えを今回参加したセミナーで見つけましたので、次はその仕組みについて見ていきましょう。
Facebook SEO サイクルで被リンクを獲得
Facebookを利用してGoogleの検索順位を上げる仕組みをセミナーでは下図のように4段階に分けて説明しています。この一連の流れをここでは「Facebook SEO サイクル」と呼ぶことにします。
① Facebookページから自社サイトへのトラフィック(アクセス数)が増える
② 被リンク元が増える
③ Googleがサイトを高く評価する
④ 様々な目標キーワードの検索順位が底上げされて上位表示が実現する
Facebook SEOのカギとなるのが、②の被リンク元が増えるという段階ですね。被リンク元が増えれば、検索順位の評価に直接影響を与える事ができるため、SEO効果を得ることができます。
では、Facebookから集客したユーザーが、その後いったいどのような行動をとることで、被リンクが増えるのでしょうか?
実はこの点について、セミナーではあまり詳しい説明がなかったため、後日セミナー主催者の鈴木氏にメールを出して詳細を確認したところ、その日のうちに次のような丁寧なご回答を頂きました。
ーー Facebookから送客されたユーザーは、その後どのような行動パターンをとることで「被リンク元」が増えるのでしょうか?
Facebookから送客されたユーザーの中には企業として、あるいは個人として情報発信をしている人たちがいます。
例えば、ニュースメディアの編集者や、読者が一定数いるブロガーもいると思います。
彼らがFacebookページに投稿された記事を気に入り、その記事に張られているリンク先のサイトも気に入った場合、自分の読者にも見て欲しいと思い、自分が運営しているサイトやブログからリンクを張ってくれることがあります。
このような被リンクの獲得は通常それほど簡単ではありません。しかし、ある日突然、その日投稿したばかりの記事がバズって、わずか2〜3日の間に大量のアクセスを集める事があります。このバズった時こそ被リンクを一気に獲得する収穫の時なのです。
※「バズる」とは、SNSのシェアやリツイートを通じて情報が一気に拡散されて、多くの人に取り上げられている状態のことで、短時間のうちにサイトへのアクセスが集中します。
鈴木氏は実例として自身のブログ記事がバズった時に(3日間で約7万アクセス増加)、新たに獲得した被リンク元を調査し、目標キーワードの検索順位の変動を追跡調査されたそうで、それに関して次のようなコメントも添えて頂きました。
リンク元を「被リンク元調査ソフト」で調べた結果、…(省略)…などがこの記事に対してリンクを張ってくれたことが分かりました。
自社サイトのブログ記事に被リンクが増えたことで、その数日後からブログ記事ページが、◯◯◯などのキーワードで上位表示し、さらにその1週間後には、トップページも別のキーワードで上位表示するようになりました。
まとめ
Facebookページから自社サイトのお役立ち記事にリンクを張っておくことで、ある記事がバズった時に大量の被リンクを獲得し、検索順位が一気に上昇するという一連の流れがこれで理解できたと思います。
それでは最後に「Facebook SEO サイクル」の仕組みをもう一度整理して、セミナーで得た知識をまとめておきたいと思います。
Facebook SEO サイクル
① Facebookページから自社サイトへのアクセス数が増える
② 被リンク元が増える(記事がバズった時に被リンクを一気に獲得)
③ 被リンクとトラフィックの増加によりGoogleのサイト評価が上がる
④ 検索順位が底上げされて様々なキーワードで上位表示が実現する